【有名夢占い師に聞いた】ズバリ夢占いとは？その正体と向き合い方

古代の人々も現代の私たちと同じように、夢を見ると不思議に感じ、その意味を解釈したいと思っていたと考えられます。

現在ほど体系化されていませんが、部落とか、部族とかの間で共有されている夢占いというのが、実はあったんじゃないかという風に推測しています。

この一例としてマレーシアの「セノイ族」という部族が夢を共有していたという話があります。

朝、起きると、広場に集まって、その族長が、「あなたはどんな夢を見た？」と、1人1人に夢を聞くんですって。そして族長が聞き出した夢の内容を読み解き、みんなのものとして共有していたそうです。

この部族は話し言葉でしか知識を共有していませんでしたが、もし、文字を持っていたとするならば、セノイ族の夢の解釈が今に伝わってる可能性もあったのかな、ということは夢見心地で考えています。

19世紀から20世紀にかけて、フロイトとユングの2人によって確立されました。具体的には、フロイトの理論をユングが発展させたとされています。

まず、フロイトは「現実世界で満たされなかった願望・あるいは欲求を、 夢という形で実現させた。」（夢は願望充足である）と考えました。

それをユングはさらに発展させ、「願望や欲求のみならず、その人が考えている心理や問題を表しているのが夢である」と考えました。

両者の間に共通しているものとしては「夢とは普段は表に出てこない無意識が顕在化したものである」という認識です。ユングはさらにこれを発展させ、「集合的無意識」という概念を生み出しました。

この集合的無意識の元型（アーキタイプ）には「シャドウ」「ペルソナ」「アニマ」「アニムス」「グレートマザー」「オールドワイズマン」の6種類があります。

そうですね。なぜなら、ネットにおいては「私（Webメディア）」と「不特定多数」という構図なので、「個人的無意識」まで踏み込むことができないんです。なので、必然的に集合的無意識を全面に出さざるを得なくなるんですよね...

夢に関する研究は行われてきたようです。ただ、「夢をどのように解釈するか」という方向性というよりも、「夢を見るのはなぜか」という精神分析の方向性での研究が多いようです。それこそ、「明晰夢を見るにはどうすればいいか？」みたいなテーマですね。

なので、いわゆる夢占い（夢をどのように解釈するか）という分野においてはユングで止まっているのではないでしょうか。

夢占いには主に2パターンがあります。1つが、フロイト・ユングに代表される心理学的なアプローチ。もう１つがスピリチュアル的なアプローチです。

スピリチュアル的なアプローチは具体的には「白い蛇の夢を見た→白い蛇は大いなる金運を招くからきっと金運が上昇する知らせである」というような、心理学的な根拠はないものの、世間一般で言われているようなその物事の象徴をもとに夢を解釈するという手法です。

このようなスピリチュアル的な言い伝えは人間が存在する限り、世界中どの地域にも存在すると思われます。その内容は、地域によって異なるものもあれば、人類共通の普遍的なものも存在するでしょう。

これは圧倒的に心理学的なアプローチの方が多いですね。それを補足する形でスピリチュアル的な言い伝えをお伝えしている形になっていると思います。

これに関しては、あくまでも「私はこうしています！」という方法をお伝えさせていただきますね。

まずは、その夢の印象に着目します。その夢を見て楽しかったのか、悲しかったのか、明るい・暗いなどの印象ですね。

良い・明るいなどのポジティブな印象を抱いたのであればその夢は吉夢であり、いいストーリーなんだけど、何となく嫌な感じがした場合はネガティブな意味を持つ、と大まかに夢の全体的な意味を捉えます。

次に、夢の詳細に入っていきます。夢の中の行動・登場人物・場所などの要素を全部洗い出し、それらの意味を統合します。

統合する際には、特に印象に残ったものを重視するようにします。夢に出てくる要素はたくさん存在するので、その1つ1つを網羅して意味を統合するのはすごく大変な作業になります。

なので、印象に残った要素のみを重要視して意味を検索し、それらを統合するのが良いでしょう。

このような作業を行うと、まずは夢における個人的無意識が浮かび上がってくるでしょう。

そして、最後に集合的な無意識の方にも目を向けます。「この夢はグレートマザーを語っているかもしれない」などという全体的な判断をつけます。

夢はパーソナルなもの（個々人によって意味が変わるもの）なので、集合的無意識にまで目を向ける必要はひょっとしたらないかもしれませんが、この夢は人類普遍的にどのようなことを語っているのだろう・どのような受け取るべきメッセージがあるのだろう、というメタ的な視点に立って夢を解釈してみるのも面白いかなと思います。

そのような反論があっても何らおかしくないと思います。

ただ、夢占いに限らず、占い全般に言えることですが、数値に表して解明できるような根拠はおそらくないと思っております。私は西洋占星術やタロット占いも行っているのですが、少なくともタロットに関しては偶然性から導き出されるもので、そこに科学的な根拠は存在しないのではないでしょうか。

西洋占星術に関しては、惑星の動きをもとに読み解いていくのですが、これは数千年のデータの積み重ねをもとにしているので、そういう意味では根拠と呼べるものはあるのですが、それが果たして科学的であるかどうかには疑問符が残りますね。

まずは、夢が何を示しているかというところに立ち返るべきだと考えています。

心理学的なアプローチから行くと、夢は自分で意識していない心理傾向（無意識）を探る手がかりとなります。

また、スピリチュアル的なアプローチから行くと夢にはエンタメ以上のメッセージ性があるのではと考えています。

卑近な例だと、ある日私が見た夢は母が亡くなる夢で、亡くなってもずっとお布団の中にいて、どんどん体が萎れていきました。

これは困ったと思い、ふと母に自分の娘の振袖をかけてあげようと思い立ったという内容なのですが、その夢を見た当時、すでに母は亡くなって35年経っていたんですね。

この夢の内容を知り合いの占い師に話すと、「それはあなたの娘さんが35歳で結婚するというお告げに違いない」と答えられました。私はすごく楽しい気持ちでその話を聞いていたのですが（笑）

このように、夢に出てくる数字や夢の中で人が語った言葉には何らかの意味があると考えるのがスピリチュアル的なアプローチです。

ただ、先程の夢のようにインパクトの強い夢に限りますが、何らかの夢が伝えているお告げのようなものはあると考えています。

そうですね。これをエンタメだと捉えることもできますが、私はエンタメ以上のものがあるというふうに捉えています。

夢というものは、夢占いにおいては、大前提、「これを意識しなさい」という無意識からの自分に対する呼びかけだと考えます。同じ夢を何度も見るということは、その呼びかけに対して応答がない（意識できていない）から、夢を何度も見せて意識しなさい、と伝えてきているのではないでしょうか。

何度も見るということはそれだけメッセージ性が強いと考えられますね。

これに関しては2つの方法があると考えています。

1つはマイナスの夢を見てしまったらそのマイナスを克服すべく努力するという方法です。

もう1つは、夢を人と分かち合うのです。これは多分にスピリチュアルな方法なのですが、夢を他人に語ることで、自分の負担を軽減して、相手に一緒に負担してもらうという考え方ですね。

夢というものは無意識からの呼びかけで、その呼びかけに応じて私たちは行動を起こせばよいわけです。友達と夢を分かち合うもよし、何かを実現するために努力するもよし。

そうすると、現実世界が変わっていきます。夢はいわば無意識と現実世界の橋渡しの役割を担っているのです。

この構造を逆手に取り、見たい夢の内容を無意識に刷り込むようにします。例えば、好きな人の夢を見たい場合は、好きな人のことばっかり考えるなどですね。そうすると、無意識からの呼びかけとして見たい夢を見れるのではないでしょうか。

ただ、この方法で夢を見た場合は、その夢が持つ意味は単なる願望に過ぎず、特別な意味はないということになります。