トラウマが夢に出てくるのはなぜ？克服する対処法や夢占い的解釈も

過去に体験したつらい出来事や、克服したと思ったトラウマが夢に出てきた経験のある人も多いことでしょう。トラウマの夢を頻繁に見てしまうと安眠の妨げになり、ますますネガティブな思考に囚われてしまいがちです。

この記事では夢から過去のトラウマ克服にアプローチする方法や、トラウマの夢の夢診断としての意味を読み解いていきます。まずはトラウマが夢に出てくる原因から解説しましょう。

ストレスの原因に心当たりがあるならその原因から距離を置いたり、正面から向き合って問題を解決したりして、ストレスを解消するとトラウマの夢を見る可能性は低くなります。

ストレスの原因をそのままにしておくとトラウマが甦ってしまう場合もあるため、問題が小さいうちに早めに手を打つことが重要です。

夢で鮮明にトラウマを追体験するのはPTSDの特徴的な症状であるフラッシュバックの一種で、放っておくと日常生活に支障がでる場合もあります。このような夢を見ないようにするにはトラウマを克服する必要があるでしょう。

心療内科に相談するのが難しい場合は、下記で紹介する、夢からトラウマ克服にアプローチするイメージ療法を試してみてくださいね。

ここでは夢で過去のトラウマを見ないようにしたり、克服したりするための方法として、PTSDと悪夢の関係を研究した大江美佐里らの論文の内容に基づいて紹介します。

2016年に発表された論文では、夢を通じた認知行動療法がPTSDに良い影響を与えると示されているため、トラウマの夢に悩んでいる人は参考にしてみてください。

大江らの論文の中で取り上げられているArntz Aらの研究では、夢のストーリーをポジティブな展開へと具体的に書き換える、自分を助けてくれるキャラクターを登場させて一緒に戦ってハッピーエンドにする、といったロールプレイからイメージリハーサル療法を検証しています。

また論文の中ではトラウマに関係する状況の中から、パワー、尊重、信頼といった不足しているテーマを加えた新たなイメージを描くことを促し、さらにそのイメージを就寝前の15分間でリハーサルするよう求めました。（Arntz A ＆ Weertman A,1999）