こけしは由来が怖い?「子消し」「間引き」が語源?種類も解説
こけしの由来が怖いと言われているのを知っていますか? この記事では、こけしの由来や怖いと言われている噂の真偽について解説します。こけしの種類を<津軽系・南部系>など11子紹介するのでそちらも参考にしてください。
目次
こけしの由来は?
こけしの由来が怖いと言われているのを知っていますか?愛らしくて不思議な魅力のある日本の伝統工芸品「こけし」。こけしは江戸時代末期に東北の温泉地を発祥として、現在までその形を変えながら人々に愛されてきました。
北の隠れ魔女ゆうこ
こけしは「子宝」や「子供の成長」を願う縁起物であったり、赤い染料を多く使うことから魔除けや病気除けとしてのご利益があるとされています。
日本の伝統工芸品として国民に愛され続ける【こけし】について、今回の記事も参考にしてくださいね。
現在ではキャラクターデザインのこけしがあり、海外からの観光客や若者からも人気です。
そんなこけしの名前の由来にはいくつかの説があります。
1つ目は、江戸時代に主流だった子どもの髪型「芥子坊主」に似ているからという説です。「芥子坊主」というのは、頭頂部の髪だけ残して丸坊主にする髪型のことです。この髪型が芥子の実に似ていることが、こけしの由来とされています。
2つ目は、木で作った「芥子人形」という意味からこけしと呼ばれた説。宮城県仙台で作られていた土で作った堤人形のことを「赤芥子」と呼んでいました。木で作られた赤芥子人形という意味で、こけしと呼ばれるようになったと言われています。
3つ目は、木を削って作ることからこけしと呼ばれた説です。木を削って作った子どもの人形という意味で「小(こ)削(け)子(し)」。また「こげし」とも呼ばれています。
そして4つ目は、子どもの誕生を願った縁起物(子授けし)からこけしと呼ばれた説です。こけしを「子どもを授かる」「子どもの健やかな成長」を願う縁起物として作っていた地域がありました。幕末期の書物「高橋長蔵文書」には、子授けし(こふけし)と記載されています。
こけしの由来は「子消し」「間引き」で怖い?
4つの由来を説明しましたが、こけしの由来は貧困で子どもを間引いたことから(子消し)と呼ばれてる怖い説もあります。江戸時代には農民の多くが飢饉に苦しみ、口減らしのために子どもを間引く(殺す)風習がありました。
貧困のために子どもを間引いてしまった親が、子どもを供養するためにこけしを飾ったことから「子消し」「子化身」と呼ばれたという悲しく怖い説です。この説は、作家の松永伍一氏の作品「こけし幻想行」というエッセイ集から始まったとされています。
メディアなどでも取り上げられ、こけしの怖い由来は世間にも瞬く間に広がりました。
由来として断定できないがその可能性はある
こけしの由来が「子消し」「間引き」であるという説は、デマに過ぎないと言われることが多くあります。根拠や文献が残っていないので、由来として断定はできませんがその可能性はあります。
「子消し」が「書かれていないから→なかった→だから真っ赤な嘘」には整合性も根拠も認められない。「書かれてない」ことから言えるのは「書かれてないこと」だけである。事実があったかどうかは判断できないのである。「真っ赤な嘘」は全く意味を持たない。
「こけし発生の謎」の著者である清塚隆夫氏は、こけしの由来が「子消し」や「間引き」とされている説を時代背景から事実である可能性を主張しています。
清塚隆夫氏は、間引きの風習や飢饉などの歴史的背景から、小芥子(こけし)を「小さなアクタゴ」と推測しています。「アクタ」は「ゴミ」という意味で、間引かれる子どもを「子消し=小さなアクタゴ」になると読み解いているのです。
また東北地方で深刻な飢饉から、子どもの間引きが行われていたことや、こけしが江戸時代に東北地方で盛んに作られていたことは事実としてあります。
このことや歴史的背景を考えると、こけしの由来が「子消し」や「間引き」であった可能性は否定できません。そもそも、飢饉などで間引きが行われていた地方農村部の文献は残っていないことも多いので、事実としてあったとしても、記録に残っていない可能性があります。
こけしは縁起物なので怖がる必要はない
こけしの由来にまつわる怖い話を紹介しましたが、こけしは山の神につながる縁起物としても考えられているので、怖がる必要はありません。
心身回復や五穀豊穣のご利益があるとして、農民からも重宝されてきました。またこけしは、古くから東北地方で温泉客のお土産や、子どものおもちゃとして長年多くの人に愛されてきていますよ。
こけしの種類は?
東北地方の各地で古くから作られている「伝統こけし」。こけしは主に11種類に分類されます。それぞれの産地や特徴を詳しく解説しますね。
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こけしは、近年では海外の観光客からも日本のお土産として人気があります。また、こけし好きの女子も増えており「こけ女(こけじょ)」という言葉も誕生しています。
こけしにも様々な種類があるので、ぜひ自分のお気に入りのこけしを見つけてくださいね。
①津軽系
津軽系の産地は、青森県温湯温泉、大鰐温泉です。頭から胴体まで1本の木からなる「作り付け」という技法で作られたこけし。おかっぱ頭にくびれた胴体、末広がりの足元が特徴です。模様はダルマや牡丹の花、アイヌ民族の模様など様々なものがありますよ。
②木地山系
木地山系の産地は秋田県木地山、川連地方です。津軽系と同じく、頭から胴体まで1本の木から作られる「作り付け」技法で作られています。
ラッキョウ型の頭に太くてストレートな胴体で、おかっぱ頭に赤いリボンを結っており、縞模様の着物が特徴的なこけしです。菊や梅鉢模様の前掛けをしている場合もあります。
③南部系
南部系の産地は岩手県盛岡、花巻地方です。頭と胴体が別々の「はめ込み型」という技法で作られており、頭がぐらぐら動くのが特徴的なこけしです。無彩色なものが一般的で、木のぬくもりを生かしたシンプルな作りのものが一般的になっています。
④鳴子系
鳴子系の産地は、宮城県鳴子温泉。頭を胴体が別々の「はめ込み型」で、首を回すと「キュッキュッ」と音が鳴ります。胴体は太めで、中央がへこんだ指なりの形状になっています。菊やカエデ、なでしこなどの柄の華やかな着物が美しいこけしです。
⑤遠刈田系
遠刈田系の産地は、宮城県遠刈田新地、遠刈田温泉、青根温泉、秋保温泉です。頭と胴体が差し込み棒でつなげられた「差し込み式」という技法で作られています。大きな頭と、まっすぐな胴体が特徴的なこけしですね。
三日月型の切れ長の目をしており、頭にはてがらと呼ばれる華やかな模様が描かれています。着物の模様の華やかさも、伝統こけしの中でトップクラスです。
⑥作並系
作並系の産地は、宮城県木作並温泉、仙台市です。頭部は「差し込み式」で平たく、胴体は細いのが特徴的なこけしです。子どもが握って遊びやすい形状になっています。着物は、カニのような模様の菊柄が描かれることが多くありますよ。
⑦弥治郎系
弥治郎系の産地は宮城県白石市弥治郎、鎌先温泉。頭部は「差し込み式」の構造で、頭頂部にはカラフルなろくろが何重にも書かれているのが特徴的なこけしですね。胴体はくびれがあったりストレートだったり様々で、色合いも華やかな印象になっています。
⑧山形系
山形系の産地は山形県山形市周辺です。子どもが持って遊ぶため、小さな頭に細い胴体が特徴的なこけしです。遠刈田系と同じく、頭にはてがらの模様が描かれています。他のこけしが温泉地で作られていたのと違い、山形系こけしは市の中心部で作られてきました。
⑨肘折系
肘折系の産地は山形県肘折温泉です。頭が大きく、胴体は太めで菊を描くことが多く、華やかなこけしとなっています。肘折系も、遠刈田系の流れを受け頭にはてがらの模様が描かれており、三日月型の目に分厚くて赤いはっきりした唇が特徴的ですね。
⑩蔵王高湯系
蔵王高湯系の産地は、山形県蔵王温泉。頭が大きく、丸みのある胴体で「差し込み型」のこけしです。こちらも遠刈田系こけしの影響を受けていて、頭にはてがらの模様があります。菊やベニバナ、桜ずくし、牡丹などの山形の植物が描かれています。
⑪土湯系
土湯系の産地は、福島県土湯温泉、中の沢温泉、飯坂温泉、岳温泉です。小さな頭に細身の胴体で「はめ込み式」の構造。首を回すと音が鳴るのが特徴的なこけしです。胴体には、ろくろで描かれたカラフルな線があります。
こけしが怖いと言われる理由を知ろう
こけしが怖いと言われている理由について、ご理解いただけたでしょうか。こけしにかかわらず、日本人形など古くからあってよく知らないものに対して「怖い」と感じてしまうことはよくあることです。しかし、こけしは縁起物として長年たくさんの人に愛されてきました。
現在でも職人さんがひとつひとつ、丁寧に手作りしています。日本の伝統工芸品「こけし」について詳しく知って、今後も国民に愛される工芸品を大切にしましょう。
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占い師/ヒーラー/スピリチュアルセラピスト
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占い師/ヒーラー/スピリチュアルセラピスト
生まれながらの直感と霊感で占いを通してお客様に必要なメッセージを届け、心を癒やしながら悩みを希望に変え、未来の幸せへと繋げていく「魔女の占い」で活動中。 精神科医療専門職として精神医学や心理学などを学び、心の病と向き合ってきた23年間の経験と、生まれながらのスピリチュアルな霊的経験から得たものを合わせた鑑定やカウンセリング、セラピーが人気。また、カラーセラピスト、パーソナルカラーアナリスト、エステティシャンとして、色や美の側面からも女性をサポートしている。