安井金比羅宮の願い事の形代への書き方は？悪縁切り・縁結びの参拝手順も

安井金比羅宮（やすいこんぴらぐう）は、京都府京都市東山区にある神社です。安井金比羅宮は悪縁を断ち切り、良縁を結ぶ「縁切り神社」として有名でパワースポットにもなっており、全国から多くの参拝者が訪れ、人生の転機や新たな出発を祈願しています。

安井金比羅宮の歴史は少し複雑で、起源は飛鳥時代に藤原鎌足が家の繁栄と子孫の長久を祈願した「藤寺（ふじでら）」を創建したことが始まりです。平安時代には「光明院観勝寺（こうみょういんかんしょうじ）」として再建されました。

再建後、崇徳上皇が讃岐（現在の香川県）にある「金刀比羅宮（こんぴらぐう）」を勧請（かんじょう）しました。勧請とは、簡単に言えば別の神社にいる神様を迎え入れることです。崇徳上皇が讃岐の金刀比羅宮にいた神様を、京都にお呼びしたということですね。

そして、明治維新の神仏分離で「安井神社」に再編し、戦後には現在の「安井金比羅宮」に改称されます。この時に崇徳天皇が安井金比羅宮の主祭神として他の神様と共に祀られるようになりました。

安井金比羅宮の主祭神は三柱おり、崇徳天皇、大物主神（おおものぬしのかみ）、源頼政が祀られています。中でも、崇徳天皇は日本三大怨霊の一つとされていますが、悪縁を切るご利益があるとされています。

安井金比羅宮の「縁切り」信仰は、讃岐に流刑された崇徳上皇が、すべての欲を断ち切り金刀比羅宮にこもったという逸話から生まれました。「縁切り縁結び碑（いし）」をくぐり、願い事を書いた形代（かたしろ）を碑に貼り付けることで、悪縁を切り良縁を結ぶとされています。

いざ、安井金比羅宮で形代に願い事を書く、となっても、「形代」というあまり馴染みのないものの書き方がわからない、となってしまう方もいるのではないでしょうか。形代への願い事の書き方を知って、よりよい「縁切り縁結び」のご利益を授かれるよう準備しておきましょう。

もし文字や文章を間違えてしまった場合には、基本的には新しい形代で書き直すことをおすすめします。ただ、どうしても訂正したいという場合は、基本的な文字の訂正と同じように二重線で文字を消し、正しい文字を新たに書き直しましょう。

形代を2枚以上書くことは問題ありませんので、重要度に差がある願い事を書くときや、分けて書いてしっかりと神様にご祈願したいという場合には、2枚以上の形代に分けて書いた方がよさそうです。

「丁寧な文字を書く」と聞くと、自分は字を書くことが苦手だから難しいという方もいらっしゃいますが「字を丁寧に書くこと」と「字が綺麗なこと」は別物ですから安心してください。

字を丁寧に書くということは、一筆一筆に気持ちを込めて書くことです。急いで書こうとせずに、ゆっくりと書くことを心がければ丁寧に書くことができます。結果として綺麗な字にならなくても、丁寧なことには変わりありませんので、心を込めて書きましょう。

神社のご祈願などでは、神様に住所を伝えることが一般的ですが、形代を「縁切り縁結び碑」に貼り付けて誰の目にも触れられる状態になるという性質上、昨今の個人情報の取り扱いの観点から住所の記載は不要となっています。

近年は絵馬なども氏名や住所の記載はイニシャルや詳細な住所を記載しないことが増えていますし、神様はその時代に合わせて柔軟にご対応してくださいますので、住所を記入しないことに不安にならずに祈願してくださいね。

書き方に決まり事はありませんが、より神様に自分の願い事が伝わりやすく、しっかりした敬意を持っていることを示す方が、神様と参拝者、お互いにとって気持ちのよいご祈願になりますので、実践してみてはいかがでしょうか。

安井金比羅宮での、形代の具体的な書き方の例を見てみましょう。安井金比羅宮に行ってから願い事の書き方を考えるのはあまりおすすめしません。先ほども紹介したように、願い事を具体的に書くことが大切ですから、事前に書く内容を携帯などにメモしたうえで参拝しましょう。

また、縁を切る相手は人間だけとは限りません。病気や環境など、自分にとって避けたいものとの繋がりであれば、縁切りとして願うことができます。健康になりたいなら病気との縁、合格祈願なら緊張との縁など、自分にとって不都合なものとの縁を切ってもらいましょう。

縁切りも縁結びも、未来の自分の幸せのために願いを込めて行うものです。願いが叶うことを目的とするのではなく、願いが叶ったうえで自分はどうありたいのかを強くイメージしましょう。

安井金比羅宮での縁切り・縁結びのご祈願は通常の参拝だけではなく、「縁切り縁結び碑」という高さ1.5メートル、幅3メートルの絵馬の形をした巨石にもご祈願をする必要があります。縁切り縁結び碑の中央の穴から神様のお力を注いでいただきます。

縁切り縁結び碑のご祈願には手順が定められていますので、誤ったご祈願をしないように事前に手順を学んでおきましょう。

この時、形代には記載しない本名や住所も神様にお伝えしておけば、神様も参拝者のことをしっかりと認識してくださいますよ。

通常は形代１枚につき100円のお志を賽銭箱に納めます​が、神様への敬意や神社の維持費としての活用を願うならば、100円以上のお志を納めても構いません。

縁切り縁結び碑の穴は直径約50cmと狭いですので、碑に引っかかって手に持っている形代を落としてしまったり、碑にすでに貼り付けてある形代を剥がしてしまったりしないためにも、大きなバッグなどは持たずに身軽な状態でくぐるようにしましょう。

最後に安井金比羅宮での参拝と願い事についての注意点をご紹介します。安井金比羅宮は非常に強い力を持つ神社として有名ですので、誤った参拝をして逆効果にならないよう、気をつけて参拝してくださいね。

他人を貶めるようなネガティブな願い事を神様は聞き入れてはくれません。それは、「縁切り神社」と呼ばれる安井金比羅宮でも同じです。

「縁切り」という一見ネガティブなワードに引っ張られて、願い事の内容がネガティブなものにならないように、「悪縁を切って、良縁を結ぶこと」を意識した願い事の書き方を、事前に考えておくことをおすすめします。

神社を参拝する時間帯については以下の記事で詳しく解説しているので参考にしてください。

安井金比羅宮では、形代と呼ばれる身代わりのお札を使用してご祈願します。形代は、呪術でも用いられる強い力を持つ道具ですから、軽い気持ちでご祈願を行ったばかりに取り返しのつかないことになってしまう可能性があります。

また、安井金比羅宮に祀られている崇徳天皇は、日本の3大怨霊として、さまざまな祟りの逸話を持つ神様です。非業の最期を遂げたことで怨霊となり、それを鎮めるために神様として祀られるようになった経緯がありますので、冷やかしで訪れるのは絶対にやめましょう。

縁を切りたい相手が会社であったり、病気であったりと、人以外の場合には、会社ならばその会社で使用している名刺など、縁を切りたいものを象徴するアイテムを持参してご祈願することで、より強いご利益が期待できます。

安井金比羅宮は、強い力を持つ神社として有名で、特に「縁切り」のご利益は、その効果を実感する声が多くの参拝者から上がっているほど非常に強力なものです。

通常の神社のご祈願とは違い、形代に願い事を書き、大きな石を手順を守ってくぐるという独自のご祈願の方法ですので、無計画で参拝せずに、しっかりと準備をしてから参拝に臨みましょう。

安井金比羅宮での形代への願い事の書き方について、具体的な方法や注意点を知ることで、神様に誤解がないよう願いを伝えてご祈願することができます。心を込めて願い事を書き、真摯な気持ちで参拝し、悪縁を断ち切ってよりよい未来を迎えましょう。