十一面観音のスピリチュアル性とは？ご利益・メッセージ・お祀りしている寺院も

夫婦は、子どもを望んでいましたがなかなか授からず、十一面観音に毎日祈りました。ある日、十一面観音が現れ、男の子と女の子を授かると告げたのです。夫婦は、子宝の印に小さな石を授かり、大切に保管しました。

数か月後、夫婦の元に双子の赤ちゃんが生まれます。夫婦は十一面観音に感謝し、より熱心に信仰したのです。十一面観音の慈悲深さと子宝のご利益を伝えるスピリチュアル的な伝説です。

密教では、唱えるとスピリチュアルな力を得るといわれる真言。十一面観音にも真言はあり、おもに2種類が広く知られています。

財福授与・災難除け・延命・極楽往生・病気平癒のご利益があるとされています。

十一面観音は国内に100体以上あるといわれています。国宝に選ばれた7体の像が祀られているのは、すべて近畿地方の寺院です。十一面観音をお祀りしているなかで、代表的な寺院を紹介します。

1868年、神仏分離令による廃仏毀釈を逃れるために「大御輪寺」から移されたのが、聖林寺に祀られている十一面観音です。聖林寺の十一面観音は仏像彫刻の名作とされ、ミロのヴィーナスと比較されることもあります。1951年に第1回の国宝に認定されました。